「外づら健康法」になっていませんか?
- 和田仁
- 2月14日
- 読了時間: 3分
立春を過ぎ、暦の上ではもう春が始まりましたね。 先日の節分、皆さんは豆まきをされましたか?
実は先週のラジオでもお話ししたのですが、節分で唱える「鬼は外、福は内」の「内」を、家の内側ではなく、自分の内面(こころ)と私は捉えました。 自分を縛る鬼(執着や不安)を手放して、こころに福(安心や感謝)を招き入れる。そう考えると、豆まきはただの行事ではなく、立派なセルフケアの儀式ですよね!
今回のブログでは、そんな私たちの「内と外」のお話をしてみたいと思います。
その健康法、「外づら」だけではありませんか?

以前から、いろいろな方の様子を見聞きしていて、ふと頭に浮かぶ言葉があります。それは、「外づら健康法」。
例えば、身なりや作法が完璧で、とてもすばらしい健康論や精神論を人前で語っている方。でも、実は生活が荒れていたり、見えないところで不摂生が続いていたり……。これ、身近なところでも意外と「あるある」かなと思っています。
形を整えることはもちろん大切です。でも、形式だけが一人歩きして、中身が伴っていない状態。これを続けていると、いつかどこかで心や体が悲鳴を上げてしまう恐れがあります。
医師も陥、 生活習慣の内・外 分裂症
実はこれ、私たち医師の世界でも耳が痛い話なんです。
生活習慣病のリスクを指導する内科の先生であっても、いざ自分の体となると、「検査で異常値が出ても、薬で数値を抑えれば(外)、不規則な生活(内)を続けても大丈夫」 と考えてしまうお医者さんが、意外といらっしゃるんです。
かくいう私もあまり偉そうなことは言えません。 患者さんに「お酒は控えめに、早く寝てくださいね」と診察でお伝えしながら、自分はたまに、夜更かししてお酒を飲んでしまうこともあります(苦笑)。
そんな、理想という外側と欲望という内側がバラバラになって、一つの人格としてまとまっていない状態を、自戒を込めてこう呼んでもよいかもしれません。
「生活習慣の、内・外 分裂症」、と。
自分への誠実さこそが、最強の予防医学
本来の健やかさを取り戻すには、この分裂した内と外をもう一度つなぎ合わせることが大切です。
薬で外側だけの数値を誤魔化すのでもなく、形式的なマナーを自分や他人に押し付けるのでもなく。 自分の弱さを「たまには夜更かししちゃうよね」と認めつつ、「でも、やっぱり体を大切にしたいな」と内側の心の声に耳を傾ける。
そうやって、内(こころ)と外(行動)が一致したときに初めて、本当の意味での清々しい健康が手に入るように思います。だから私は、本当の予防医学には、次の2つのことが大切だと考えています。
1.小さな一致を積み重ねる
自分が「こうありたい」と思う姿と、実際の行動を少しずつ一致させていくこと。完璧である必要はありません。小さな一致の積み重ねが、やがて大きな変化を生みます。
2.形式に、こころを吹き込む
例えば、ネクタイを締めるなら「型だから」ではなく「自分自身の気持ちを引き締めるため」という自分の理由を持つこと。
そんな自分への誠実さこそが、最強の予防医学かもしれません。
立春に、こころの衣替えを
せっかくの新しい季節。 お化粧や服装という外側だけでなく、心の中の衣替えも始めてみませんか? 無理をして良い人を演じるのではなく、内側の自分と仲直りをして、等身大の自分で春を迎える。そんなスタートも素敵だと思います。
あなたは、今年こっそり手放したい「外づら」がありますか?
さて、今日は少しユーモアを交えてお話ししましたが、この「形と本質」の問題は、実は命の現場でも非常に大切なテーマになります。
次回は、少し真面目に、でもとても大切なお話です。
数値の向こう側にある、いのちの形として、がん治療における抗がん剤と、その人らしい命の形について考えます。医療の「外側(治療方針)」と、患者さんの「内側(生きがい)」をどう繋いでいくか、深掘りしてみたいと思います。




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