いのちは確率ではない 〜 1% に 100% をかける〜
- 和田仁
- 2 日前
- 読了時間: 3分
前回のクリニックブログで、仙台エコーライオンズクラブさん新年例会での講演エッセンスをご紹介いたしました。今日は、その講演の時にお伝えしたキーワードの一つ「決断と行動」から、私がとても大切にしている「いのちは確率ではない」という言葉について綴ってみたいと思います。
「余命」という言葉をどう捉えるか
みなさんは「余命」宣告に、どんなイメージを持たれるでしょうか。
多くの方は、冷たくて、怖くて、絶望へのカウントダウンが始まるような……そんなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、現場でがん患者さんたちと接していると、その受け止め方は本当に人それぞれだと感じます。
「残された時間に気づかせてくれた、人生の再出発だ」と捉える方
「これからは自由時間だ」と軽やかに考える方
「そんなこと考えない」という方
どれが正解ということではなく、人それぞれの「ありかた」があります。
1% は 0% ではない
医療の世界では、よく (5年)生存率という数字が使われます。
例えば、担当医から「生存率 1%」と言われたら、あなたはどう感じますか?
数字だけを見れば、絶望的に感じるかもしれません。
しかし、その 1% に入れば、本人にとっては「完治率 100%」なのです。
そして、1% は決して 0% ではありません。
そこには必ず、過去に治っている人が存在します。
さらに、もし生存率 0% と言われるステージ4 の病状であっても、自分が本当にその枠に入るかどうかは、未来になってみなければ誰にもわからないのです。
もちろん、99% に比べれば 1% が厳しい道であることは事実です。安易な励ましは禁物かもしれません。
しかし、私の知人であるシンガーソングライターの杉浦貴之さんは、1999年に難治がんで「2年生存率 0%」と担当医に宣告されながら、25年以上経った今、全国でがんサバイバーの皆さんに勇気を届ける活動を精力的にされています。
杉浦貴之さん公式サイト:https://www.taka-messenger.com/
「いのちは、統計学上の確率ではない」 私は日々、そう確信しています。
1% の確率に、100% をかける
この確率について、先日とても印象的な出会いがありました。MLB(アメリカ大リーグ)球団ミルウォーキー・ブルワーズの国際担当、色川冬馬さんという若きリーダーです。
彼は今、「NPB(日本プロ野球)球団のGM(ゼネラルマネージャー)になる」という大きな目標を掲げています。ご本人曰く、「そのポストに就く確率は現時点では1% 以下かも」。しかし彼は、その 1% を 100% にするために、日々たゆまぬ実践を重ねています。
彼が講演で語られた一言が、私の心に深く刺さりました。
「1% の確率に、100% をかける」
これは、がん診療における向き合い方と共通する部分があると思います。
たとえ医学的なデータが 1% であったとしても、そこに自分のエネルギーを 100%注ぎ込む。

そのマインドセット(こころの持ちよう)こそが、不可能を可能にする重要な道ではないかと、色川さんの情熱に触れて改めて感じました。
あなたの未来を決めるもの
もし今、何らかの数字やデータに心を痛めているのなら、どうか思い出してください。確率はあくまで「過去」のデータです。あなたの「未来」を決定づけるものではありません。
1% の可能性に、あなたの 100% の想いを。
今という時間を大切に、ともに歩んでいきましょう。




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