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「がん」を「ポン」と言い換えるか否か


 今朝、私が地元仙台でモーニングセミナー講話を担当させていただいた際に、参加者の方から『がんでなく、ポンと言ったほうがよい』という話題提供があり、少し盛り上がりました。

 『「がん」という言葉は重たいから、「ポン」に言い換えると、笑えるし、気持ちも楽になるよね』とのこと。桜井さん、話題ご提供ありがとうございました。そして、会場内の多くの方々からも、笑いとともに概ね好評なご意見が出ていました。


 「がん」を「ポン」と言い換えることについては、私も以前からいろいろな方のコメントを見聞きしました。「がん」に『ポンってなって、ポンって治るみたいな』イメージとおっしゃった方もいました。

 今年1月2日の東洋経済ONLINE記事の中で、三谷幸喜さんも『がんは怖くない、という話の延長で、三谷は「がんの呼び名を『ポン』とか『ガニー』にしよう」と提案している。「前立腺ポン」「子宮ポン」「大腸ポン」。うん、なかなか肩の力が抜けてていい。』(引用)と記されています。


 ただ私は「ポン」への言い換えについて、実は見解がちょっと異なっています。基本的には、言い換えずにそのまま「がん」のほうが良いかなと思っています。もちろん、言い換えに反対というわけではありません。人それぞれいろいろな受け止め方があるし、言い換えることでその方のストレスが減り心理的な効果があるなら、その方の考えやお気持ちに賛成します。また、私自身がんになったことはないので、『がん患者の心境は当事者になっていないからわからないでしょ』というご指摘を受ければ、その通りですと言わざるを得ません。

 今朝の講話の時は、ご参加のみなさんが和みながらの話題になっていたし、あえて自分の見解をコメントしませんでした。



 で、会の終了後に、そういえば誰かが私と同じような見解を以前にどこかに書かれていたな、ということをふと思い出しました。検索をかけてみると、やはりありました。杉浦貴之さんという、Messenger』編集長&シンガーソングライターの肩書を持つ、希少がんがんサバイバーの方のブログでした。

 杉浦さんがご自身のブログで『「がん」を「ポン」と言い換えても…』というタイトルの記事を2014年に記されていました。杉浦さんご自身が定期発刊されている『メッセンジャー』という冊子の第42号より抜粋したブログとのこと。ここ数年、私も購読している冊子です。


 せっかくなので、有名な方ではありますが杉浦貴之さんのプロフィールを彼のオフィシャルサイトから以下に抜粋引用させていただきます。

 『1999年28歳のとき、腎臓の希少がんPNET (未分化原始神経外胚葉性腫ー現在、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍)と診断。腫瘍は巨大で悪性度が高く、両親には「早くて半年 、2年後生存率0%」と伝えられた。病床では「ホノルルマラソンのゴールでパートナーと抱き合い、翌日ハワイの教会で結婚式を挙げる」という夢を描き続ける。

 左腎摘出手術後、化学療法2クール。再発予防のため、自己治癒力を高める方法を模索し、世界各国、日本全国を旅する。呼吸法を学んだことで、発声により体の回復を実感し、歌うことへ繋がっていく。

 2008年、病床で描いていたホノルルマラソンと結婚の夢を叶え、2010年より、がん患者、家族、サポーターと行く「がんサバイバーホノルルマラソン」を主宰。

 現在、命を唄うシンガーソングライターとして、命のマガジン『Messenger』編集長として、がんになる前より元気にトーク&ライブ、一般講演、学校講演、取材など全国を駆け回っている。』


 杉浦さんが2014年のブログで記された以下の『』内の文章は、私もけっこう近い見解を持っています。特に、『「ポン」と言い換えても所詮、対症的な方法。世の中には「がん」という言葉が氾濫しているのだ。それよりも確かなのは、「がん」からネガティブなイメージを払しょくし、「がん」という言葉を聞いてもビクともしない心を作ること。』(引用)の部分はとても大切なことだろうと思っています。もちろん、普通は一朝一夕でできることではないのかもしれませんが…。

 以下に杉浦さんのブログ記事抜粋を転載させていただきます。もちろん、これは杉浦さん個人の見解であり、人それぞれの思いや考え方があると思います。


「がん」という響きが重いから、「ポン」と言い換えるといいよ、という方がいる。

ぼくはあまり好きではない。

講演でそう言われる方がいたけど、ぼくはひねくれているので、「そんなふうに言い換えても、現実は何も変わらないんだよ」と心の中で毒づいていた(笑)。


でも、がんの当事者で、そう言えてしまう人は、とても尊敬する。そうでない方にはあまり言われたくない言葉かな。ああ、ひねくれている(笑)。


そう、「ポン」と言い換えても所詮、対症的な方法。世の中には「がん」という言葉が氾濫しているのだ。

それよりも確かなのは、「がん」からネガティブなイメージを払しょくし、「がん」という言葉を聞いてもビクともしない心を作ること。


がんを治していく上での最初の壁は「がん=死」のイメージ、思い込み、洗脳。

がん患者を主人公にしたテレビドラマ、映画、小説では、最後に主人公が亡くなるストーリーが多い。少しずつ、「がん=死」のイメージが潜在意識に刷り込まれていってしまう。

ぼく自身も、がん告知のときは大きな絶望感に襲われた。「がん」という言葉におびえ、「がんばれ!」という言葉にさえ「がん」を連想し、育毛剤のCMの「最髪」という言葉にも胸を痛めた。


ぼくの治癒への道は、「がん=死」のイメージをぶっ壊していくことから始まった。


洗脳を解くには、新たな価値観をもって上書きをするしかないと、ある人が言っていた。


ぼくは、がんを治した人の本を読み漁り、がんを治した人に会いまくり、地道に、絶望を上回る希望を積み重ねていった。そして、少しずつ、少しずつ、「がん=死」という思い込みが、「がん=怖いものではない」という価値観に上書きされていったのだ。


今では相談をいただいたり、人前でお話させてもらったり、ものすごい数の「がん」という言葉を浴びているが、まったく動じない。潜在意識の中で、がんは「自分にとって必要だったメッセージ」と捉えられているから。


地味な積み重ねが大事。マラソンにまぐれはないけど、決して、努力を、積み重ねを裏切らないと言われる。


病気治しにも、まぐれと一発逆転はないけど、決して積み重ねを裏切らない。積み重ねることで、体も、心も、潜在意識も変わる。


「ポン」と明るく言うのもいいけど、どうせなら「がん」と言われても笑える自分を目指そう。』(杉浦さんブログより一部引用)



 「がん」を「ポン」に。もともとは、永六輔さんが『がんということばの響きがよくない。来年からぽんにしましょう!』(村上信夫さんオフィシャルブログより引用)と講演の場でお話して、それがだんだん広まっていったということらしいです。ちなみに、これも杉浦さんから伺った情報です笑。



 最後になりますが、ほぼ丸写しの転載で著作権法に完全に引っかかりそうなので、杉浦さんには事前承認ご依頼をしておりました。そして、すぐにご快諾を頂き、「是非、よろしくお願いします。共感してくれた方もたくさんいます。著作権、ぼくは大丈夫ですが、どんどん引用してください。」との返信でしたので、お言葉に甘えてそのまんま掲載させていただきました。

 私自身のオリジナルの意見を書かないのか、という叱責は潔く受け入れます。杉浦さんに、ほぼ同じ見解を何年も前に書かれちゃってました…


 杉浦さん、ご助言いただき、ありがとうございました!




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