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MDアンダーソンがんセンター開発のマイクロCTC検査を採用


 リキッドバイオプシーとは、血中のがん細胞(循環腫瘍細胞、CTC:circulating tumor cell)やがん細胞由来の遺伝子(循環腫瘍DNAなど)を調べる検査です。採血だけの検査で、がんの診断や治療効果のモニタリングが、必要なタイミングで繰り返し検査可能です。採取したがん組織の一部の情報しか捉えられない組織生検に対し、全身のがん細胞の遺伝子変化をリアルタイムに検出し、腫瘍の不均一性など全体像が評価可能な新しい検査法です。

 現在は、一部を除いて標準的な抗がん剤治療が「その人のがん細胞に対する抗がん剤の感受性があるかどうかに関係なく行われる」ことが多く、標準的な抗がん剤治療が一通り行われた後に、ようやく保険診療としてリキッドバイオプシー検査を行うことが承認されています。しかし本当は、

・「もっと前に効きそうにない薬を判定」したり

・「投与中の抗がん剤が本当に効いているかを確認」したり

・「現在、再発転移しそうな血液中のがん細胞を早期確認」できれば、

より心身の負担が少なく、効果的な治療を選択できます。


 2023年現在も、日本国内で保険適応となっているリキッドバイオプシーは4種類ですが、いろいろな固形がんで検査が行えるのはFoundationOne Liquid CDx だけとなっています。そしてFoundationOne Liquid CDx も保険診療では生涯に1度しか検査が認められていません。その審査・承認も時間や多人数で労力をかける必要があり大変です。

 自由診療では1回の検査料が高額となりますが、希望時に繰り返し検査できます。負担をかけずに採血だけで身体全体のがん情報を繰り返しモニタリングできるのがリキッドバイオプシーの長所です。抗がん剤をダラダラと投与し続けないよう、定期的な治療効果判定を行うことなども可能です。



 今回、くりにっくでは『マイクロCTC検査』を新たに採用いたしました。このマイクロCTC検査は、世界有数のがんの研究・治療機関であるアメリカの『MDアンダーソンがんセンター』が開発した特殊抗体『CSV:細胞表面ビメンチン抗体』を世界独占利用しているそうです。(セルクラウド社HPより引用)

 がん細胞は、上皮間葉転換を経ることで悪性度の低い『上皮性のがん細胞』から、悪性度の高い『間葉系のがん細胞』に進行することが知られています。「浸潤・転移の高い能力」を持つ、この『間葉系のがん細胞』のみを特異度94.45%という非常に高い精度で検出することを可能にしたのが、マイクロCTC検査の大きな特徴です。


 くりにっくでは昨年から、国内外のリキッドバイオプシー検査を採用してきました。しかし今回から、迅速に結果が判明する国内検査を行える検査機関のみを採用することにいたしました。

 『日本国内のクリニックで、血液を海外に輸送することでCTC検査を実施しているところもありますが、血液検体は非常に繊細なため、検査までに時間が経つと劣化が進み分析精度が低くなってしまう(採血から丸2日たった血液は、抗凝固剤入りの採血菅で保存していたとしても、遠心分離機でまともに分離できない)セルクラウド社HPより引用、添付画像を含め)という研究報告もあります。くりにっくが国内検査にこだわった理由の一つです。

https://micro-ctc.cellcloud.co.jp/



 なお、国内外にはいろいろなリキッドバイオプシー検査が存在し、それぞれ一長一短があります。また、(検査の適応制限が厳しい保険診療を除き)いずれも高額な自費診療となりますが、がん治療方針を決めるうえで大事な判断材料となります。検査のご依頼、または検討のご希望があれば、その方の状況に即したメニューをご相談させていただきます。

 もちろん、保険診療が可能な腫瘍マーカーが高値とかPETCTなどの画像診断で確認できる病巣がある場合はそちらでモニタリングをすれば良いわけですし、高額リキッドバイオプシー検査が必須というわけではありません。前向きエビデンスが少なく、各検査の臨床評価はまだこれからという現状です。また、研究途上の遺伝子関連検査なので人道的・倫理的な課題もあり、慎重な対応が求められることは私も承知しているつもりです。各種検査や治療の費用対効果を含めて、遠慮なくご相談いただければと思います。


 最後に、昨年のくりにっくブログ「リキッドバイオプシー(採血のみの「がん遺伝子」)検査を採用」URLも参考までに掲載いたします。

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