• 和田仁

リキッドバイオプシー(採血のみの「がん遺伝子」)検査を採用


 先日、利用者様からの強いご要望にお応えすべく、当くりにっくで初めてのリキッドバイオプシー検査を自由診療でご提供いたしました。今後の治療方針を選択する上でとても役に立つ結果を確認することができ、感謝の言葉をいただきました。

 リキッドバイオプシー(Liquid Biopsy)とは、主に血液の中に含まれ体内を循環しているがん細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)や、DNA・RNA・エクソソームといったがん細胞由来の成分を解析する、最近とても注目されているがん検査の先端技術です。約20ccの採血のみで体の負担が少なく、がんで起きている遺伝子変異(異常)の情報、適切な抗がん剤や天然成分の治療法選択、画像診断で検出できないがんの再発兆候や治療効果の追跡、などが確認できます。早期発見、予後予測、残存腫瘍検出(再発予測)、治療効果判定、遺伝情報を使った適切な治療法の選択、など多様なモニタリング評価が、必要なタイミングで繰り返し検査可能です。また、採取したがん組織の一部の情報しか捉えられない組織生検に対し、全身のがん細胞の遺伝子変化をリアルタイムに検出し、腫瘍の不均一性など全体像が評価可能です。

 欠点としては、保険診療は検査の条件がかなり制限され、生涯で1回のみの検査しか現状では行えませんし、その審査・承認も時間や多人数で労力をかける必要があり大変です。もちろん研究途上の遺伝子関連検査なので、慎重な対応が求められることは私も承知しているつもりです。一方で、全額自費の自由診療なら1回の検査料が高額となりますが、希望時に繰り返し検査できます。また、前向きエビデンスが少なく、各検査の臨床評価はまだこれからという現状です。遺伝子情報の取り扱いという人道的・倫理的な課題もあります。

 2022年現在、日本国内で保険適応となっているリキッドバイオプシーは4種類ですが、いろいろな固形がんで検査が行えるのはFoundationOne Liquid CDx だけとなっています。そしてFoundationOne Liquid CDx も保険診療では生涯に1度しか検査が認められていません。

 しかし、先ほど書いたように、負担をかけずに採血だけで身体全体のがん情報を繰り返しモニタリングできるのがリキッドバイオプシーの長所です。現在投与されている抗がん剤をダラダラと投与し続けないよう定期的な治療効果判定を行うことなども可能となります。

 くりにっくでは以下のように2企業のリキッドバイオプシー検査を採用いたしました。今、必要とお考えの利用者様の病状やご要望を踏まえた検査項目をご提案いたします。



1.海外企業RGCC社に検査委託

   (国内代理店は株式会社デトックス


【特徴】

・抗がん剤だけでなく自然療法の天然成分の有効性も評価可能。

    なお、くりにっくでは検査のみで、未承認抗がん剤や  

    天然成分薬物の処方はしておりません。

・浮遊がん細胞そのものを確認し、患者固有のがん幹細胞である循環腫瘍細胞(CTC)を培養します。約50種の抗がん剤、約65種の分子標的/小分子薬の感受性を調べ、あらかじめ選択する薬剤の効果を想定可能です。

【検査料(すべて税込価格)】


・オンコノミックスプラス検査:「55万円」

    血中の循環腫瘍細胞(CTC)確認+抗がん剤や自然療法の天然成分の有効性も評価


・オンコトレース検査:「22万円」

   血中CTC確認で、治療効果や再発などのフォローに役立つ。比較的安価に評価可能 


・結果判明後の相談診察料:「1万円/30分」

【欠点】

・血中の細胞数が少ないと検出できない可能性があります。

海外で検査のため、結果判明まで1ヶ月程度かかり、専用採血管の保管期間が短いため利用者様から検査ご同意を取得後に試験管発注となります。日本語翻訳の報告書があります。



2.日本国内企業に検査委託(企業様のご要望で非公開、診療時にはお伝えします)


【特徴】

・血液中に遊離しているcfDNA(cell-free DNA)から、クローン造血由来でがん治療効果や再発と相関しないcfDNAを除外し、原発腫瘍より血液中に漏れ出て循環するcfDNAとされる腫瘍由来のctDNA(circulating tumor DNA)を検出する、他社では行われていないパネル解析での偽陽性確認工程を行っています。

・国内での解析なので結果判明まで1〜2週程度と、海外での解析より短期間です。また日本語での報告書、結果説明のサポートもあります。

【検査項目(すべて税込価格)】


遺伝子パネル解析:「44万円」

    がんで起きている遺伝子変異の情報と適切な治療薬がわかります。

    関連した日本国内の臨床試験情報:別途「2万円」


・デジタルPCR検査:「12万円」

    化学療法モニタリング(3〜6ヶ月毎)、比較的安価に繰返し検査が可能です。

    再発確認だけでなく、抗がん剤中止の判断などにも有効です。


・cfDNA定量検査:「12万円」

    特定遺伝子変異やがん腫の同定困難な際のがん病状モニタリング

    他の腫瘍マーカーが利用できない場合にも有効です。

・結果判明後の相談診察料 「1万円/30分」

【欠点】

・血中の腫瘍関連DNA量が不十分または腫瘍以外のDNA混入で、正確な結果が出ない恐れがあります。尚、採血検体不十分で検査中止の場合でも8万円の手数料が発生します

・こちらも専用の血液保存容器の保管期間が短く、検査ご同意後に使用する容器を取り寄せますので当日検査はできません。専用宅配業者により血液検体を配送後に検査となります。


 以上、くりにっくでご提案するリキッドバイオプシー検査はいずれも自費診療なので高額検査ではありますが、2回目以降の3〜6ヶ月モニタリング検査では比較的価格を抑えることが可能です。もちろん、保険診療が可能な腫瘍マーカーが高値とかPETCTなどの画像診断で確認できる病巣がある場合はそちらでモニタリングをすれば良いわけですし、高額リキッドバイオプシー検査が必須というわけではありません。

 各種検査や治療の費用対効果を含めて、遠慮なくご相談いただければと思います。


PS:ホームページの診療案内は近日掲載を予定しています